ITインフラ監視[実践]入門を読んだ

非常に薄い本だし、基本的なことが書かれているのでそれほど有用でない印象を持たれる人もいるかもしれないが自分にとってはかなり役に立った。

ソフトウェアエンジニアのための ITインフラ監視[実践]入門 (Software Design plus)

ソフトウェアエンジニアのための ITインフラ監視[実践]入門 (Software Design plus)

この本の何が良いかというとこれまで曖昧でなんとなくやって来た監視や運用という作業に対して、基準が出来たり体系化されることだ。

自分は少々理屈っぽいのか、「そもそも」と考えてしまうことが多い。

  • そもそも何故、監視しないといけない?
  • 監視するメリット・デメリット
  • その効果とコスト

このあたりが気になる人間だとこの本はそれを解決してくれるだろう。Amazonのレビューを見ると星1つのものもあれば星5つのものもあり極端に良い悪いの2つに分かれる評価がされているが、てっとり早く監視システムを構築したいとか即席なノウハウを求めている人間にしたらすごく抽象的でつまらない本になってしまうが、この抽象化されたメタな情報や考え方を元に監視の設計や監視項目を洗い出したい人間にはこれほど良い本はないと思う。

逆にこの本で大枠を掴めば、自分で監視ツールの選定、運用体制・手順などを設計し足りない知識を他の情報源に求めていくことが出来るだろう。実際に本文にも書かれてあるように「何から手を付ければよいか分からない」人への指針だったり、「いち早く障害発見、復旧にかかるしくみの設計、構築、運用」を説明した本なので自分はこのボリュームで良いと思うし、読んだあとで監視ツールや各ミドルウェアのドキュメント、SREやDevOPSの書籍など自分に足りない情報源に当たっていけば自然と監視の知識は身についていくはずだ。その前段階や準備としてはベストな本だと思った。